西中VOICE

1つの疑問から社会に食い込む

本校では、3年生になると社会探究という授業が始まります。これは社会のできごとで関心のあることについて調べ、まとめて発表するという学習で、3~4人の小グループをつくって行っています。自分たちで疑問を解決していく力は、社会をより良くし、より良く生きていくための大切な礎となります。「なぜ」「どうして」と思うだけの人から、自分の力で行動に移せる人、他者と調整をはかりながらより良い社会を築いていける人になってほしいという願いから実施しています。

ここでは日常のできごとの中に関心を持つ人もいれば、歴史的な事象について深く知りたいと思う人もいて、探究するジャンルはさまざまです。自分たちでテーマを設定し、書籍やインターネットで調べたり、直接現地に行って見たり聞いたりしながら探究活動を進めていきます。

eaae1098-34b7-4e83-b222-dba42a2e6ae5  例えば「障害者スポーツの理解と普及」をテーマに選んだグループがあります。このグループは、東京オリンピック開催にわく社会の動きに対し、同じく開催される東京パラリンピックのニュースがあまりにも少ないことに疑問を感じました。障害者に対するある種の差別的態度にいらだちを感じたようです。そこから自分たちがパラリンピックや障害者スポーツについてもっと知りたい、周りにそれを広げていきたいと考えるようになりました。

e325873b-f210-45f1-bba8-19fabed0ed53 b5b98c92-7809-4954-9192-0ab3da2fde9f調べていくうちに、名古屋市に障害者スポーツセンターがあることをつかみ、そこではどのような活動をしているのか、どのような人が利用しているかなど、夏休みに実際に訪問して職員の方に話を聞いてきました。施設の廊下や階段、給水器などいろいろな所に点字や点字ブロックが作られており、その工夫や細やかな配慮に驚きを感じました。障害を持った方の目線の大切さにも気づいたようです。

訪問してみて初めて気づくことがあります。初めて理解できることがあります。それをもとに、次に何を考えるか、どういう行動に移すか。ここからが社会探究の核となる部分です。このグループでは、周りの人々が障害者スポーツについて、どれくらい知っているのかアンケートを作成しています。

障害がある、ないにかかわらず、誰にとっても温かい社会を築いていくべきだという考えにとどまらず、その先の一歩を示してくれることを期待しています。  (教員KM)





























































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